院長のごあいさつ

市民の皆様へ 「健診」と「検診」

 今年は例年になく寒暖の差が激しく体調管理に気を付けなくてはいけませんが、市民の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

 さて、前回のご挨拶では、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者になる「2025年問題」の背景を話ししましたが、その年以降も高齢化社会、超高齢化社会が進行します。そこで、限られた医療資源や医療費を適切に利用するためには体調を維持し、健康寿命を延ばすことが大切となります。では具体的にはどうしたら良いのでしょうか。まずは自分の健康状態を知ることが重要で、その方法の一つが健診と検診です。ただし、同じ「けんしん」ですが意味が少し異なりますので説明したいと思います。



 


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 「健診」とは、まさに健康診断のことで、現在、健康であるのかそれとも病気になりやすい、あるいはそのリスクがあるかどうかを診断するのが目的で、ある特定の病気の有無を診断するものではありません。具体的には職場の健診、市町村などによる健診、そして高齢者を対象とした特定健診があります。一方の「検診」は、例えば「胃がん検診」や「乳がん検診」のように特定の疾患の早期診断とその治療を推進し、死亡率を下げることを目的とするものです。その意味で、乳腺エコーや胃癌と関係の深いピロリ菌検査を同時に行うような人間ドックは、両者を包含した「健診」と言えるかも知れません。

 このように、高齢化と言えば、心臓や脳やそのほかの臓器の働きが衰えることが気になりますが、さらに注意しなければならないのが「がん」に罹りやすいことです。「がん」は細胞のDNAに傷が生じて起こる病気で、高齢になるほどその傷が蓄積し「がん」になりやすいことはご存知のことと思います。しかしながら、会社の健診、職場の健診や検診などで毎年、問題ないと言われて安心してしまい、定年後という「がん」のリスクが高まる年齢になっても集団検診を受けない人がおられ、症状が出てから、すなわち「がん」が進行してから病院を受診される方が少なくないのが現状です。例えば胃がんや大腸がんの場合、「がん」がStage IIIの早い時期に見つかれば、内視鏡的切除やお腹の傷の小さい腹腔鏡下手術などの身体への負担の少ない低侵襲治療が可能であり、その成績は良好で治療後の生活も問題は少なく、健康寿命を延ばすことができます。国の方も最近では予防に力を入れており、私の専門とする胃がんに関しても、従来の精度などに問題のあるレントゲン撮影によるバリウム検査に加えて、内視鏡検査による胃がん検診が始まりました。

 ということで、「健診」や「検診」、あるいは「人間ドック」を積極的に受けていただくことをお勧めします。国や市町村、あるいは会社による援助や補助制度がいろいろとありますので、検討してみて下さい。そして、ご家族の中で「私はこれまで健診や検診を受けてきたが全く問題なかった」といって何年も検査を受けていない方こそリスクがあります。是非、「検診」を受けるよう勧めてください。

 当院は、国からがん診療連携拠点病院として指定されており、各領域の「がん」に対して積極的に取り組んでいます。「検診」を受けて何か問題がありましたらお気兼ねなくご相談ください。相談窓口も開設しています。また、快適な検査が受けられる「人間ドック」を行っています。とくに当院の運営を支援していただいている7つの市(小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、清瀬市、東大和市、西東京市)の住民の方には割引制度があります。詳しくはこのホームページをお読みいただくか、当院あるいは各市の担当者にお尋ねください。

 いずれにしても、限られた医療資源、医療費を適切かつ有効に遣うために、積極的に「健診」や「検診」を受けていただき、健康寿命を維持し快適な人生を送って下さい。


平成29年5月

昭和病院企業団企業長 兼  

高度急性期医療センター    

公立昭和病院院長 上西紀夫 

 

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